昔といっても、少し前、多分半年から1年ほど前まで、私はネガティブな状況にはまってしまったり、(あまり嬉しくないような)おもいがけないようなことが起こったりすると、それに逆らうように、逆行して生きてきた気がします。
それが決して悪いというわけではなく、そのさなかにいる時はそのことしか見えず、どれだけ必死でもがいても、どれだけがんばっても、結局はもがけばもがくほど、どんどんと引きずりこまれるような感覚がしていました。少しでも状況を良くしようとして、いろんな流れに逆らって生きていたような気がします。それは悪いことではないのですが、とても疲れるようです。自分の意志が根本にあり、それが揺らぐのでないならば、流れに逆らわず、その流れに乗ってみるというのは、なんて肩の力が抜ける、すばらしい生き方なのだろうとこのごろ思えるようになりました。 何事も流されてばかりではいけないけれど、そうやって肩肘はって生きてきたときには見えなかった、その流れに乗って、漂っている間に見える、今まで見えなかったことの、なんて輝かしいこと!なんか目の前が曇って見えていなかったものが、霧がパッと晴れて、すがすがしい空気を吸って、なんだか細胞が生き返るような気分。 どうしてこんなふうに思ったかといえば、実は仕事のことが大きな理由でした。このところ仕事のことで心を悩ませていたこと、実は理由は解雇通知でした。それは8月の半ば。NPOである私の組織は、州や市からのFundで成り立っています。このたび州から、我々のサービスへのFundが一切カットされ、なぜか私が私が解雇の対象になりました。話せば長く、そして複雑なのですが、とにかく労働組合の契約からしても、私が解雇の(一番初めに)対象になるのは、どう解釈しても、不当であるとしか思えませんでした。私なりに人事、直属のボス、そして労働組合に掛け合い、なんとか表向きの理由(Fund不足)だけではなくて裏に隠された何か別の理由(たとえばビザ?)を探し出そうとしました。泣き寝入りだけはしたくなかったし、その隠された理由というのも、「この子は静かでおとなしいから、Probably she will quietly leave」と思われたのかもしれないと思ったのも、とても気に障ったのです。 結局その1週間後、私がしつこく追求したせいなのか、Managementの間違いなのか、はたまた計算違いだったのか、定かな理由はわかりませんが、私の解雇通知は免除され、無事仕事は確保されました。・・・されたように見えたのですが、またその1週間後、解雇通知を受け取りました。理由は簡単、やはり、計算違いだったと思われたFundは、計算違いではなく、本当にどこからもFundが入ってくる余地はないので、これ以上私を職場には置けないというものでした。このDecisionも再び「もしかして」免除されるかもしれないそうです・・・。 最初の解雇通知から1週間も、そのあとの1週間ぬか喜びしたのも、そして今、解雇されるおびえているこの期間も、心と身体へのダメージは大きく、食欲はなくなるし、本当にこのままどうしよう・・・とメンタルな面でもフィジカルな面でも、相当に感情を振り回されました。というのも、永住権を持っている人が解雇されたのならば、Unemployment benefitを受けることができるので、当面の経済状況は確保されます。私の場合、永住権はなく労働ビザで働いているTemporary residentなので、解雇されたところで、Unemployment benefitを受ける権利もなく(税金を払っているのにです)、ましてや私の保持するビザは、労働をすることが目的のビザのため、いくらビザの期限がまだ切れなくても、仕事を失ったその日から、私のステータスはIllegalになり、猶予期間もなく、日本へ強制送還されるのです。もちろん仕事を失う日までに、別の仕事が見つかれば、Legalなのですが、それはとても難しいことですよね・・・。 どうしていいかわからず最初は泣いてばかりいましたが、泣いていたって誰も助けてくれるわけじゃない・・・と思って、自主的に動いてみたものの、また解雇に逆戻りです。もう私にできるのは、本当にこれまでだ・・・と思った時、そして、「もう十分やったじゃない、えらいえらい」と自分を認めてあげられた時、初めてこのまま流れに乗ってみるのも、もう1つの私のできることなのだと思えました。 彼から電話があった時、一連のことを話したのですが、「今まできっと僕がインドネシアにいる間も、つらい思いをたくさんしたんだろうし、何も力になれなかったけれど、これからはもう心配しなくても大丈夫、一緒に住むのだから」といってくれたときも、このまま流れに乗ってみようと思えた理由かもしれません。 今まで、アメリカに来て自分のキャリアを優先してきたし、これからもずっと働いていきたいと思うのですが、このような状況になって初めて、今までのように戦い続けることと同時に、物事が起こるにはすべて理由があり、そのようなときに差し出される救いの手や流れには乗ってみるものだと、なんだか妙に心から納得したこの一連の出来事でした。 こんなふうに思えることも、成長した証拠なのでしょうか?これからどうなっていくのかさっぱりわかりません。Everything happend for a reasonって、私はどこかでも書いた気がしますが、今、そういう心でこの状況を乗り切ることと、彼が帰ってくるこのタイミングに感謝し、少しずつ、自分のするべきことが見えてきた気がします。
by forestlily
| 2009-09-12 19:12
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